誰かへの贈り物

こんばんは。

研究費で図書を購入すると、大学図書館の蔵書となります。
ですから、授業中に言及することのあるテーマの図書は当然入れます。
ですが、
そうでない図書を入れる場合もあります。

もう十年くらいも前になるでしょうか。
ある学生さんと話をしていて、石田徹也という画家のことを教えてもらいました。
その後、職場で図書の推薦を求められ、この若い画家の遺作集を一冊こっそり加えました。
ほとんど、大学図書館に黄色い紡錘形の爆弾を仕掛けるような気分だった。

ふと昨日検索してみて、庄原キャンパスにも同じ本があると知りました。
どなたかはわからないけれど、学生たちに見てほしいと思った人がいたのでしょう。
なにか目配せし合ったような気持ちになりました。

授業で使う参考文献としてであれば、誰がそれを読むのかは予想がつきます。
そうではなくて、誰かがそれに目をとめて開くだろう、そこから何かが始まるかもしれない、
そう思って、専門分野とはかかわりなく図書館に入れる本があります。
それは見知らぬ誰かへのプレゼントです。

2020年10月10日