親切な本
こんばんは。
古川末喜『二十四節気で読みとく漢詩』(文学通信、2020年)を読んでいます。
正確に言うと、いっぺんに読み通すのではなくて、
これから先、折に触れて、楽しみながら開く本になるでしょう。
太陽の運行に沿って設けられた二十四の季節の節目について、
まずこの二十四節気というシステムが、精緻にかつすっきりと説明されています。
そして、その季節の折々に詠じられた漢詩が挙げられ解説されています。
あとがきに記されたその漢詩の選択基準を見ると(選択基準に限らず)、
古川氏がいかに真摯に、そして楽しげに詩の読解に取り組まれたかがわかります。
また、氏は参照された参考文献や情報サイトを豊富に紹介してくださっています。
これを手引きに、多くの人々が的確な知識を得ることができると思います。
この本によって、生活に潤いを得る人がどれほどいるでしょう。
ほんとうに親切な本です。
また、この本によって、詩の季節感を的確に捉えることができるようになります。
古今東西を渡る学術的な広がりをも想い描かせてくれる本です。
著者の古川末喜氏に、大きな声でありがとうと言いたい。
そして、このようなお仕事に対して、心から尊敬の気持ちを捧げます。
2020年10月16日