讒言する者の悲しさ

おはようございます。

曹丕は悲しい、と昨日書きました。
同じように、曹丕に曹植ら弟たちのことを讒言した者にも悲しさを感じます。

彼らはいわば人として卑劣なことをしたわけですが、
当時、広くネットワークを形成していた知識人社会に属していれば、
そんなことはしなくても、きっと有意義な社会生活を営むことができたはずです。
ところが、彼らの多くはそうではなかった。
知識人社会に地縁血縁による人脈を持たない、いわゆる単家出身だったのではないでしょうか。

官界に活路を見出したい彼らは、自身の立場を固めたい曹丕と利害関係が一致した、
だから彼らは進んで曹丕の思惑を忖度し、曹植らの言動を逐一あげつらったのではないか、
そう考えていくと、彼らの悲しさが推し測られるようです。
自分は、そうした人間を好きにはなれませんが、
そうした人間を生み出した時代の空気を想像できなくもありません。

そのあたりを起点にして見てみると、
曹丕・曹植らの父、曹操の力量の大きさが推し測られるようです。

2021年3月19日