封禅と登仙

今日も、曹植「駆車篇」を二句だけ読み進めました。
この作品は、王者の封禅のことが詠じられていると思っていたら、
その終盤になって唐突に、黄帝軒轅氏の登仙について歌いはじめます。

泰山の風景を描写する前半に続き、
王者はその功を成し遂げたことを天に報告する、
歴代の王者が遵守したその決まりごとは書物に記されている、
泰山には寿命を告げる策があるが、命運はその徳に委ねられている、
封禅を行った皇帝七十人のうち、ひとり黄帝のみが大いなる神霊となった、
ときた後に、
その黄帝が、霞や露を口にし、羽毛がその身体を蔽う姿となって登仙し、
東父と同じ永遠の長寿を得たことが詠じられます。

封禅に神仙が結びつくことが、自分にとっては意外で、
泰山の実景、王者の封禅を経て、唐突に仙界へと遷移する流れも奇妙に感じられます。

また、本詩では、黄帝軒轅氏が東父と結びつけられていますが、
『山海経』大荒西経には、西方の王母の山に、軒轅の台があると記されています。
東と西と逆方向ですが、軒轅氏はこれで問題なく登仙できたのでしょうか。
仙人は時空間を自在に飛び越える存在だから問題ないのでしょうか。

本詩もよくわからないことばかりです。
読み進めるのに時間がかかって当然だと思うことにします。

2025年12月4日