黄帝の属性

曹植「駆車篇」には、
泰山で封禅を行った歴代七十名の皇帝のうち、
黄帝のみが登仙したということが詠じられています。

この封禅と登仙との結び付きに、意表を突かれたことを昨日述べました。

では、『史記』巻1・五帝本紀に、黄帝の属性はどう記されているでしょうか。
そこには、封禅の儀を盛大に行ったことは記されていますが、
登仙したことは記されていません。

また、『史記』巻28・封禅書を見直して見たところ、

管仲が斉の桓公を諫めた言葉の中に、
泰山で封禅を行った王者は七十餘人いるということは見えていますが、
そのうちの黄帝が登仙したということは語られていません。

一方、黄帝の登仙という話題が始めて登場するのは、
漢の武帝に取り入った公孫卿なる者が引用する申公の書物においてです。

黄帝の属性として神仙の要素が付加されたのは、
もしかしたら漢代に入ってからのことなのかもしれないと思いました。

2025年12月5日