曹植「雑詩六首」其二の押韻
「曹植作品訳注稿」の詩歌作品に、
ある時期から押韻状況を記すようになりました。
今進めている見直し作業の中で、
押韻を記していなかった作品にそれを追記しています。
ここまでまだ数首を見たにすぎませんが、
徒詩には近体詩とほぼ同様の一韻到底が認められるようです。
と思っていたところ、それを大きく踏み越える作品に遭遇しました。
『文選』巻29所収「雑詩六首」の其二です。
本詩は、第一句から第十句まで、きれいに上平声01東韻で押韻しているのに、
最後から二句目に至って、突然上声32晧韻に切り替わります。
しかも、それまでは偶数句末押韻だったのに、
結びの二句は両句とも押韻しています。
なぜ、このような脚韻を配したのでしょうか。
如上の押韻情況から見て、うっかり踏み間違えたとは思えません。
思うに、第一句から十句目までは、転蓬のようにさすらう兵士の物語、
最後の二句は、その物語を外側から見て(詠じて)いる人の独白ではないでしょうか。
この独白が「古詩十九首」其一に見える表現を用いていることも、
最後の二句がそれまでの句とは異質であることを示唆しているように感じます。
もっとも、まだ多くの曹植詩を調査したわけではないので、
あくまでも思い付きの推測に過ぎないのですが。
2026年1月3日