三分の義侠心

こんばんは。

職場に出て仕事をしていれば、
当然いろいろと翻弄されることも少なくありません。
あっという間に一週間が終わった今日、
ふと『菜根譚』にある次の言葉を思い出しました。*
(『菜根譚』は、明末の洪自誠による語録)

交友、須帯三分侠気。
作人、要存一点素心。

友と交わるには、三分の義侠心を持つ必要がある。
人として生きるには、一点の純真な心を保つ必要がある。

友のためには自分を投げ出す覚悟を持つ。
そんな義侠心を、「三分」と言っているところに妙味を感じます。
正義感100パーセントで突っ走るのでは駄目ですね。

一点の純心というのも絶妙です。
現実とは所詮こんなものだろうと投げ出すのではなく、
ほんの少しでいいから、純粋な気持ちを保持し続けていけば、
混迷の中でも、次へ希望をつなぐことができます。

突っ走りがちな自分への戒めであり、
励ましの言葉でもあります。

2021年9月10日

*中村璋八・石川力山訳注『菜根譚』(講談社学術文庫、1986年)p.45を参照。