何を以て認められたいか?

こんにちは。

『春秋左氏伝』襄公二十四年の記事に、
「死而不朽(死しても朽ちず)」という古人の言葉について問われた人が、
このように答えたということが記されています。

大上有立徳、 最上は徳を立てること、
其次有立功、 その次は功を立てること、
其次有立言。 その次は言を立てることである。

この言葉のうち、特に「立功」は学生たちには少し遠く感じられるようです。
だから、しっかり働いて人に喜ばれることだ、というふうに言い換えたりもしてきました。

ですが、色々と現代風に言い換えなくてもいいのではないか、とふと思いました。

現代人と、『春秋左氏伝』に記された古人の考えと、
人から承認されたいという欲求がある点では共通していると思い至ったのです。
これは、人が人々の間に生きるものである以上、古今東西、普遍的なのではないでしょうか。
(人知れず善を為すということだって、その姿勢そのものが承認されるわけです。)

ただ、何を以て人々から認められたいのか、
そこが、時代や文化圏によって、さらには個々人によって違うのでしょう。

昔の人々はこうだった、ということを“異文化”理解してもらった上で、
では、あなたは何を以て人から認められたいのか、と問えばよいのだと思いなおしました。

2020年5月4日