原稿と思考

こんばんは。

今日は一日、教免更新講習の動画を作成していました。
パワーポイントのスライドに音声を重ねていくという方法なので、
それなら慣れている、すぐにできるだろう、と甘く見ていたらとんでもなかった。
リアルタイムで即興的にコメントを入れながらスライドを提示していくのと、
スライドと音声をきちんと録画するのとではまるで違っていました。

少しやってみて、これは即興では太刀打ちできないと思ったので、
話す内容をすべて書き出した原稿を作ってやってみたら、
なぜか、反対にいよいよ狭い路地に迷い込んでしまったような感じになりました。

原稿があると、それを読み上げればいいと安心するからか、
頭の中が停止して、なにかすべてを人任せにしてしまったように心もとなくなります。

やっぱり、大まかなメモ(スライドで十分)を持つくらいで、
あとは大筋それに乗り、考察内容を追体験しながらしゃべる方が好みです。
言い間違ったり、不用意な沈黙が生じたりしても、そちらの方がずっと面白く感じます。
(受講される方々も、少しの聞き苦しさは許してくださるでしょう。)

原稿を準備すると、その原稿以上のことは脳裏に浮かびませんが、
それが無いと、ふわっと離陸するように、予想外のことを話し始めることがあります。
その楽しさの方に賭けて、完璧さを目指す心は捨てようと思います。

それにしても、即興的ミュージシャンの人たちはすごい。
それを心底実感しました。

2020年8月29日