学生たちへのエール
夕方、山の端がほんのり紅色に染まっています。
今日は、演習科目の今期最後の授業で、
受講生全員に、今年読んだ作品に関する発表をしてもらいました。
ここでも何度か話題にしたことがある、元稹と白居易との交往詩についてです。
十数名がそれぞれに自分なりの考えを述べ、なかなか充実した発表が多かったです。
授業は次のような方法を取りました。
(Teamsを用いて、グループディスカッションにはチャネルを設けて)
1、学生は事前に、あらかじめ提示された作品(訓読付き)の通釈を試みる。
2.授業に試みの通釈を持ち寄り、グループ内で疑問点を出しあう。
3、グループの代表が疑問点を述べ、それに対するヒントを教員から得る。
4、通釈をグループで再検討し、グループの代表が発表する。
5、教員の追加説明、講評を聞く。
6、授業後、自分なりの通釈と考察をレポートにまとめて提出する。
基本、このサイクルを繰り返しました。
(前期と後期との間で何人か辞めていったのは負荷が大きかったのでしょうか。)
今日うれしかったのは、このようなことを言った学生がいたことです。
授業の中では、このような解釈に落ち着いたのだけれど、
その後、改めて考えてみると、違う解釈も可能ではないかと思った。
自分はこう考える。その根拠は……
昨今、権威ある先行研究にひれ伏すような論文が少なくないですが、
そんなことに感じる憂鬱を吹き飛ばすような出来事でした。
学生たち、がんばれ!
私も教員をやっててよかった。
卒論ゼミの選択にはつながらなかったけれど(ゼロを更新中)、
演習を通して何かを学んでくれたのではないか、それで十分だと思いました。
2021年2月4日