小さな存在、大きな自由

「曹植作品訳注稿」の公開を始めました。
巻4「公宴」「侍太子坐」「元会」、巻5「薤露行」「平陵東」「惟漢行」を上げています。
少し時間がかかりそうですが、倦まず弛まず作業を進めていきたいと思います。

今日は「平陵東」の訳注を整えて公開したのですが、
これまで「平陵」とは何で、どこにあるのか、知らないままだったことに気づきました。
公開するとなると、わかったつもりで流すことができなくなります。

とはいえ、こうした情報は、ネットで調べればすぐに出てきます。
それを手掛かりに、提示すべき文献にも比較的容易にたどり着くことができます。

ですが、問題はそこから先であって、
長安近郊に位置する、前漢の昭帝の陵墓(平陵)が、
なぜ、王莽に抵抗して非業の死を遂げた翟義を追悼する歌の題と結びつくのか、
そのことに意味があるのかないのか、さっぱりわかりませんでした。

知識は簡単に手に入っても、
それを血肉化し、そこから考察を広げていくにはそれ相当の時間がかかります。

でも、そうしたことに打ちひしがれるのではなくて、
自分の小ささを自覚し、そこからスタートすればよいのだと思います。
私はそこに大きな自由を感じます。

それではまた。

2020年2月13日