曹植「盤石篇」の成立年代

本日、曹植作品訳注稿「盤石篇」(5-37)を公開しました。

通釈をし、最後に解題を書く段に至って、
本作品が曹植後半生の作ではないだろうことを確信しました。

その判断の最後の駄目押しとなったのは、
本詩が、『文選』巻12の李善注に「斉瑟行」として引かれていることです。

かつてこちらで述べたように、
「斉瑟行」として伝わる曹植作品に「白馬篇」「名都篇」「美女篇」がありますが、
いずれも華やかな雰囲気をもつ楽府詩です。

それと同じ音色で歌われるのが「盤石篇」だとすると、
その歌辞が醸し出す雰囲気とあいまって、
本詩は、建安年間の作と見るのが最も妥当であるように思います。

詳しくは、本詩訳注稿をご参照ください。

2025年11月8日