準素人の自由

こんばんは。

相変わらず元白唱和詩の論文に苦戦しています。
感覚としては、これはこれとつながるのだと確信できるのに、
それを言語化して論理的に組み立てていこうとするとうまくいきません。
なにか、はしごを掛け違ったような感じになるのです。

また、こちらに書いたときにはおぼろげながらも把握できていたことが、
長文で述べるとなるとうまく表現がつながりません。
それぞれの文章には、その長さに適した言葉使いというものがあるのでしょうか。

まあ、のろのろとしか進めない人間にこそ見えてくるものもあるでしょう。
そう思って、不器用な者はその不器用さを活かしていきます。

さて、今書いている論文は、
白居易と元稹との友情にはそれ相当の振幅がある、
という、ある意味当たり前のことを述べようとするものです。

ただ、『日本における白居易の研究(白居易研究講座第七巻)』(勉誠社、1998年)や、
『白居易研究年報(白居易研究会)』(勉誠出版、2000年~)の論文目録を縦覧する限り、
非常に意外ですが、元白唱和詩に関する先行研究はそれほど多くないのです。
平岡武夫『白居易(中国詩文選17)』(筑摩書房、1977年)の所論に圧倒されて、
おいそれとは近づけないと感じる専門家が多いのでしょうか。
こういう時、専門外の人間は少し自由です。

2020年9月17日