素人教員の困惑
こんばんは。
今日から第2クォーターの大学基礎セミナーⅡが始まりました。
再編統合により設けられた地域創生学部ならではの内容で、
地域課題を解決できる力の育成を目標とするものです。
学生たちは、グループワークにはわりと慣れているようで、
さっそく活発にチャットで話し合いを始めていました。
ただ、少々心配になった点があります。
それは、問題をすぐに解決できる、と思っているふしがあることです。
(若者らしい万能感ですね。それ自体はいつの時代にもあったことでしょう。)
昨今、ニュースなどでもよく、学生のアイデアで地域課題を解決、などと目にしますが、
それには、報道はされない、相当な準備や試行錯誤があったはずです。
座学ならば、私はしばらくそのまま見ています。
いずれ、問題意識には適切なサイズというものがあるとわかるので。
自分でわからない限り、人に言われて修正しても自身の血肉にはなりませんから。
困ったなと思っているのは、
地域課題解決を掲げた学修だと、直に地域の方々に関わる可能性も出てくることです。
基礎セミナーの段階でも、いきなり行動に移す学生がいないとも限りません。
以前、こうした分野を専門とする同僚から、
事前にそのあたりの教育は十分にするのだとお聞きしたことがあります。
そのような素養を持たない学生が、地域の課題を解決することは不可能でしょう。
まず、出向いた先の方々と信頼関係を築くことが大前提としてあるはずです。
来週の授業では、このことをきちんと言っておこうと思います。
古典を学べば、自分を超えるスケールのものに向き合うことになりますので、
自分の思い上がりや視野の狭さが自ずから見えてくるのですが。
昨今の趨勢では、そうした学びは敬遠されがちです。
2020年6月30日