自分にもできる曹植研究

こんにちは。

川合康三編訳『曹操・曹丕・曹植詩文選』(岩波文庫、2022年2月)を、
昨日、街中の書店へ出向いて購入しました。

実は、書店へ出向いたのは、
マルクス・アウレーリウス著・神谷美恵子訳『自省録』を手に入れるためでした。
朝日新聞の書評欄に載っていた木村俊介氏の記事に惹かれて。
そして、神谷美恵子氏を改めて尊敬しなおすことがこのところ続いたので。

すると、目当ての『自省録』のすぐ近くに、
自分にとって今一番近しい父子の本があったのです。
書店に足を運ばなければ、この本を知るのはもっと遅れたでしょう。
(こういう情報に疎いのが自分の弱点だと自覚しています。)

目下、訳注作業を行っている曹植「喜雨」も収録されています。
一瞬、もう自分にできることは残されていないのではないか、と落胆しました。
けれども、やっぱり自分にしかできないこともあると思い直しました。

同じ中国文学という分野を研究していても、
その中には実に様々な持ち味の方々がいらっしゃいます。
そのそれぞれの良さを発揮すれば、この分野も盛り返すのではないか、
自分は愚鈍なたちだが、この速度からしか見えないものもある、
それを追求すればよいのだ、と思い直しました。

曹植作品のすべてに訳注をつけたい、
そうした作業を通して、曹植のことを弔いたいと私は思っています。

他方、曹氏父子に関心を寄せている方々が、
世の中には少なからずいらっしゃることに驚き、心強さを感じました。
(そうでなければ文庫本として出版されるはずがありません。)
次に、たとえば公開講座などでたずねられたら、
この本をお勧めしようと思います。

2022年4月18日