若い世代のアプローチ
昨日、ふと思い立って検索してみた「亜枝紅」という詩語について、
先行研究がないか、中国の論文データベース(CNKI)を用いて探してみました。
「亜枝紅」「杜甫」「元稹」「白居易」「雍陶」をすべて本文中に含むものは5篇、
興味深いことに、そのいずれもが修士論文もしくは博士論文です。
このうち、昨日私が述べたことと重なるかもしれないものが1篇、
岳娟娟氏の「唐代唱和詩研究」という博士論文(復旦大学・2004年)でした。
そして、この研究成果はすでに2014年、復旦大学から書籍として出版されています。
やはり、研究者の層が日本とは比べものにならないくらいに厚く、
その成果が公表されていくスピードも桁違いです。
上記のキーワードで検索して、「亜枝紅」単独では97篇がヒット、
これに「杜甫」を加えて88篇、更に「元稹」を加えれば54篇、更に「白居易」も加えれば44篇。
そして最後に「雍陶」も加えれば、上記のとおりの結果となりました。
このような検索を順次かけていって気づかされたのは、
若い世代の研究方法が、少し前の世代とは違ってきているのかもしれないということです。
検索結果は、絞れば絞り込むほどに学位論文の占める割合が高くなります。
今はネット環境とコンピュータがあれば、
従来とは比較にならない精度で用例を拾い上げることができますから、
これに伴い、作品へのアプローチの仕方が変わってきているのかもしれません。
ちょっとついていけないなあ、とため息が出ました。
私は私の視点とペースでいこうと思います。
2020年5月8日