試行錯誤

先日、ふと思いついたことを記した『文選』所収の公讌詩ですが、
やっぱり、簡単に仮説どおりにはいきません。

王粲の詩だけ、詩に描かれた場面からして違いますし、
主人と仰いでいる対象は、やはり李善のいうように曹操と見るのが自然です。

ただ、劉楨の詩から、宴が日中から深夜にまで及んだことがうかがわれ、
このことに気づくことができたのは収穫でした。

この授業、交換留学生ひとりを相手に話をしています。
(専門分野が中国古典ではないのに、こんな話を聞いてもらって申し訳ない。)
とても熱心に聞いてくれるので、わからないことが次々と明るみに出てきます。
先行する注釈などにも、案外そのとおりでないものもありますね。

何にせよ、こうしてわきおこる疑問は考察への糸口。

それに、日常の中で感じるちょっとした苦痛はしばし忘れられます。
小人なので、放っておくと負のスパイラルに陥ってしまう。
やっぱり閑居していてはろくなことがないです。

それではまた。

2019年7月5日