「朔風」詩の再読

曹植「朔風」詩の再読を始めました。
本詩の訳注は、2021年3月11日に公開したと記していますから、
ほとんど5年ぶりに読み直すことになります。

当時もその難解さに右往左往していましたが、
そのとき絞り出した仮説めいたものは妥当であったのか。
時を隔てて、再びまっさらな気持ちで対面しようと思っています。

さて、解題を見直してさっそく頭を抱えています。
本詩の成立年代に対して、実に様々な説が立てられているのです。
詩の本文を熟読すれば、自ずからしかるべき結論に着地できるのでしょうか。
依然として、成立年代については未詳と記すことになるかもしれません。
けれども、それを検討する必要はないとは言えません。

曹植もそこに属する前近代の中国知識人、
あるいはそれと地続きの世界を生きていた中国の研究者たちが、
喧々諤々、それを究明しようとしているのです。
すると、曹植自身もその詩の背景を強く意識していたに違いありません。

彼らの生きていた座標の中に自分も入って検討したいと思います。

また、本詩は『詩経』のスタイルに倣った四言詩であるのに、
『文選』では、多く五言詩を収める「雑詩」の部類に入っています(巻29)。
「雑詩」というジャンルの境界線を見極める上でも、
本詩は重要な意味を持つでしょう。
(このことについてはすでにこちらで述べています。)

積み残しを置いていきながら、
再びそこに戻ってきて考察できるのは、
いくらでもやり直しのできるこの場ならではの良さです。

2026年2月6日