押韻から分かること
曹植作品訳注稿の詩歌作品について、
ある時期からその押韻情況を記すようになりました。
(今のところ、徒詩は『切韻』系の音韻体系に沿っていると言えます。)
それによって新たに気づいたことを何度か述べてきましたが、
本日見直しを始めた「矯志」詩(04-16)にも、そうしたことがありました。
この詩は、偶数句末に押韻し、四句ごとに換韻していきます。
ところが途中で二箇所、押韻上、前後から切り離されたような二句一韻があって、
これによって、そこに失われた二句があるらしいことが推測されます。
朱緒曾『曹集考異』(金陵叢書丙集之九)巻5に、
「済済唐朝、万邦作孚」の前、及び「道遠知驥、世偽知賢」の後に、
八文字分の□(空白)を置いて、「厳上空八格」「厳空八格」と注するのは、
押韻から割り出されたことであったかと始めて気づきました。
その失われた二組の二句ひとまとまりのうち、
一組は、『文選』李善注に引く本詩の佚句によって補うことが可能です。
このことを指摘する黄節の説を、本詩の余説に引いています。
(なお、本詩訳注の見直し修正作業は未完です。)
2026年2月13日