雑記再開
こんばんは。
本日、曹植「三良詩」(『文選』巻21)の訳注稿を公開しました。
直近に公開した「求自試表」の訳注稿は、語釈だけで二ヶ月もかかりましたが、
今回は、先にこちらの論文№42を書いたときに読み、そのノートがあったので楽でした。
楽に進めるときもあるし、岩盤を小さなノミで削って進むようなときもあります。
何かを論じようとするときは、というより自ずから論に結実するまでには、
それ相当の時間をかけて作品を読解します。
自分の考えが本当に妥当か、矯めつ眇めつ検討を重ねます。
中国の古典文学は、思い付きで何かが語れるほど、
すぐにわかりやすくその懐を開いてくれるわけではありません。
でも、そうして深めた考察は、単なる思い付きと見分けがつくのでしょうか。
私は、それができる人になりたいと念じています。
真摯に検討を重ねた所論が、単なる推測だと片づけられることの無念。
どんなに言葉を尽くしても到達できない他者のいる場所。
2021年2月18日